100日後に死ぬワニ 感想と考察

感想

毎日19時の楽しみはワニの日常を見ることでした。

なんでもない日常の連続がここまで私を惹き付けたのは、ワニには100日というタイムリミットがあったからです。

刻々と迫るワニの最後に思いをはせながら、どんな風に死んでゆくのか、考えていました。

 

ワニはヒヨコを助けて死んでしまったようです。

私はこの描写を見たとき、そこはかとなく、安心感を覚えたのです。

最後の最後までワニはワニらしかったなと。

 

実は、ワニがヒヨコを助けたのは今回だけではありません。

ずっとワニを見守ってきた人ならわかると思いますが、過去に同じことをしています。

3話目で、トラックに轢かれそうになったヒヨコを一度、救っているのです。

(今になって思えば、しっかりそのときにフラグは立っていたわけですね)

 

ワニにはこのような、自分の危険など顧みない強い 「自己犠牲」 の精神があります。

ときに、意中の女ワニに嫌われたと思い込んで病んでしまったり、服をバカにされたりして心がすさんでしまった時期もありましたが、最後の最後までワニくんはワニくんらしい生き方を貫いたわけです。

 

けっして不慮の事故のような予測のできない事態によって命を落としたわけではありません。

自分の意志で、ヒヨコを救い、犠牲になって死んでいったのです。

私は、そんなワニらしい死に方を見て、不思議と悲しい気持ちにはなりませんでした。

(もちろん、死が予見されていたことも大きいです)

 

100ワニが、100日間のシナリオに加え、0日目および後日譚を収録して書籍化するみたいです。

考察

つぎに、ここからはワニの死についての考察に入ります。

あらすじ

1枚目:

ネズミ、モグラ、イヌ、ワニの彼女、が集まった花見のコマにワニの姿はありません。

ワニは遅刻をしていました。「待ってりゃくるか」 と気楽なモグラと、無言のままワニを気にする

ネズミ。

ネズミはバイクでワニを迎えに行くことにします。

 

2枚目:

赤信号で停車をしているネズミ。桜の写真をネズミとワニとモグラのいるグループラインに飛ばします。

 

3枚目:

車道を横切るヒヨコを路肩へと移動させたワニは、迫ってきていた車両に轢かれ絶命してしまいます。

最後のコマにはワニくんのスマホから、ネズミの送信した写真に返信をしていたことがうかがえます。

 

あらすじはこんな感じです。

https://twitter.com/yuukikikuchi/status/1240946299467259905

ワニはどんな風に死んでいったのか

すでに述べたように、ワニはヒヨコを救った結果、車に轢かれて死んでしまいました。

ワニはいつ死んだ?

ネズミの送信した桜の写真に返信をしていたので、ネズミが桜の写真を撮影していた2枚目の時点では生きていたと考えられます。

死んだのは、返信をした直後か、もう少し後ということになります。

ワニはどこで死んだ?

4枚目の桜並木を一望できる写真の中に、ヒヨコが映っていることがわかります。

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最初に発見した人目良すぎって感じですが、さらに拡大するとそれらしきものがいるのがわかります。

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おそらくこれはワニが助けたヒヨコでしょう。よって、ワニはここで死んだと考えられます。

そして、この場所は信号機のすぐそばにあります。

信号機には 「百景坂交差点」 と書かれた標識が備え付けられています。

この 「百景坂交差点」 は今後キーワードになってくるので、覚えておいてください。

バイクで発進したあと、ネズミはどこにいた?

つぎに疑問に思うのは、ネズミがどこにいたのかでしょう。

ワニと合流できる可能性はあったのでしょうか。

 

手がかりは2枚目の2コマ目にあります。

信号待ちで停車しているネズミの上には 「百景坂交差点」 という標識のついた信号機が見えます。

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さて、ここで再び4枚目にあったこの道路を一望できる写真を確認します。

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同じ 「百景坂交差点」 の標識の信号機が確認できます。

つまり、ネズミはこの信号機が立てられている車線とは反対の車線にいたことがわかります。

図にすると以下のような状態です。

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そのときワニはどこに?

ネズミは信号機の場所で停車していた際に、桜の写真を撮ってグループラインに送信をしています。

そして、これに対しワニが返信をしていることが、3枚目の最後のコマで判明しています。

つまり、このタイミングではワニはまだ事故にあっていないことがわかります。

 

ワニは信号機の場所で事故にあうことと、ネズミとワニの進行方向は真逆であること(ネズミはワニを迎えに行ったので)を考えると、ワニの居場所は以下のようになります。

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ワニの正確な居場所はわかりませんが、ネズミが写真を送信したときには、ネズミの方向へと向かってきていたと推測できます。

どちら側の歩道であったかは、この後の考察で明らかにします。

そして事故にあう

しばらくして、信号は青に変わり、ネズミは再び発進します。

その前後でワニはネズミの送った写真に返信をします。

すると、返信をするために下を向いたひょうしに、ヒヨコが車道を渡っていく様子が見えたのではないでしょうか。

3話目のときと同様にです。

ワニはヒヨコを助けるため車道へ走ります。

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ヒヨコは信号機のあるほうへ向かったわけなので、ワニがいた歩道は右側であることがわかります。

ワニは反対側の歩道からヒヨコを救出しようとします。

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そこで、ヒヨコを助けたものの、自分は向かってきた車に轢かれてしまいます。

ネズミはワニとすれ違っていたのでは?

青信号になり、ネズミが発進したときには、まだ事故は起こっていないので、進行方向にワニがいたものと思われます。

すなわち、ワニとネズミが出会っていた可能性は大いにあるのです。

しかし、ネズミはワニと出会うことはなく、ネズミが停車していたこの信号機の場所で事故にあってしまいました。