マイナスとマイナスを掛けたらプラスになる理由

だれでもわかるように説明しまーす

準備

まずはかけ算の話です

5 × 1 = 5

1 × 6 = 6

こうなるのはわかりますね

5とか6に1を掛けても何も変わんないよ*1ってことです

この、5とか6の部分を a という文字にしてしまいます

すると、

a × 1 = a

1 × a = a

という式が作れます

これらの2つの式を「ルール1」と呼ぶことにします

 

次に、足し算の話です

5 + (-5) = 0

(-4) + 4 = 0

こうなるのはわかりますか?

つまり、同じ数字で、片方だけマイナスのとき、足すと答えは0になる*2ってことです

これも、文字を使うとこうなります

a + (-a) = 0

(-a) + a = 0

これらを「ルール2」と呼びます

 

証明

手順1

まず、「ルール2」の式をそのまま持ってきます

ただし、ここではaを1にしました

1 + (-1) = 0

手順2

次に、両辺に(-1)を掛けます

1 × (-1) + (-1) × (-1) = 0 × (-1)

少しややこしくなりました。一つ一つ見ていきます

 

まず、右辺から。0に何を掛けても0のままです

1 × (-1) + (-1) × (-1) = 0

 

次は左辺。

1 × (-1) の部分はよく見ると、

「ルール1」1 × a = a の形をしています

a が (-1) ってことです

つまり、1 × (-1) = -1 です

-1 + (-1) × (-1) = 0

手順3

両辺に1を足します

1 + (-1) + (-1) × (-1) = 1 + 0

計算すると、

0 + (-1) × (-1) = 1

さらに整理すると、

(-1) × (-1) = 1

マイナス同士のかけ算がプラスになりました

 

*1:代数学では、計算に使っても何も影響しない数のことを 単位元 と言います。かけ算の場合は1、足し算では0です

*2:2つの数の計算の結果が単位元となるとき、お互いの数を 逆元 と呼びます。この場合、足し算で計算の結果単位元0になっているのでお互いが逆元の関係です